合併、会社分割、株式交換・株式移転は、会社組織の基本構造、組織を変更するもので、組織再編行為と言われます。
組織再編行為は売り手の債務や契約関係が債権者や契約の相手方の同意なくして、また、個別の承継手続をとらなくても、当然に買い手に承継されます。
これを包括承継と言います。
そして、組織再編行為は、会社組織の根本を変更するものである点で会社の所有者である株主の利害に大きな影響を与えますし、包括承継される点で債権者の利害にも大きな影響を及ぼします。
そのため、会社法上、以下のように株主や債権者の利益を保護するための一定の手続が必要となります。
スピーディーにM&Aを進める観点からすると、そのような手続が必要となる点はデメリットといえます。
(1)株主総会の特別決議
株主総会の特別決議が必要です。
つまり、議決権の過半数を有する株主が出席し、そのうちの3分の2以上の議決権を有する株主が賛成する必要があります。
通常の株主総会決議では、過半数の議決権を有する株主の賛成があれば足りることと比べて、特別決議はその決議要件が厳格になっています。
(2) 書類の備置・閲覧
株主や債権者が閲覧、謄写できるように、株主総会の前後に一定期間、組織再編の内容を示す契約書や貸借対照表等の書類を本店に備え置くことが必要とされています。
(3) 反対株主の株式買取請求
組織再編に反対する株主はその会社に対し、自己の所有する株式を買い取るよう請求することができます。
(4) 債権者保護手続
事前に債権者に対して個別の催告や公告を行い、一定期間に反対の意思を表明した債権者に対しては債務の弁済や担保提供を行わなければなりません。
(5) 以上の手続の他に、労働者を保護する手続も必要となります。
(6) 対価
買い手は売り手または売り手の株主に対して、対価として通常、自社の株式を割り当てます。
対価として現金を用意する必要がないという点は非常に大きなメリットです。


