では、信託という制度は、どういう制度なのでしょうか。
信託の例をあげて説明します。
年老いた80歳の祖父が3歳の孫娘と暮らしています。
孫娘には、両親がいません。
祖父もいつまで生きていられるかわかりません。
このような時、祖父が突然死亡したりすると、3歳の孫娘の将来が心配です。
遺言で孫娘に財産である1億円を贈与するにしても、孫娘が成人するまでの間、誰が財産を管理するのか心配です。
このような時、おじいさんは、信用できる若い友人や信託銀行に対し、財産を渡し、その使い道を指示することができます。
たとえば、1億円を不動産に投資して、その賃料収入を孫娘の生活費と養育費にあて、残りを積み立てていき、孫娘が成人したときに積立金と不動産を孫娘に与える、などです。
こういう契約をしておけば、祖父は、いつ突然死亡しても、その契約が有効である限り、孫娘の将来の生活は確保されるわけです。
これが信託です。
ここで登場する祖父が「委託者」、友人や信託銀行が「受託者」、孫娘が「受益者」と呼ばれます。
また、信託銀行などに財産を渡すことを「信託する」と言い、1億円を「信託財産」と言います。孫娘が受け取る、信託により受ける権利のことを「受益権」と言います。
これを図で表すと、次のようになります。



