第3に、会社再建以外の目的でなされることもあります。
例えば、会社が経営に行き詰まり再建困難な状況に陥ったとき、このまま会社が潰れると従業員の職がなくなり路頭に迷う、せっかく続けてきた事業が途絶えてしまうという場合に、事業譲渡することによって、譲受会社で当該事業の存続を図ったり、譲受会社に従業員の雇用関係を承継させることによって、事業と従業員を守るということもできるのです。
この事業譲渡による事業再生については、中小企業白書(2004年版)においても、「自力再生が困難であっても、それが直ちに廃業しか道がないことを意味するわけではない。企業内部の資源だけでは再生が難しくても、他企業の資源と組み合わせたりすることによって事業の再生が可能であることも十分あり得る。
例えば製造業を営む企業が、今までは外注であった工程を内製化することを考えている場合には、全くの新規で生産ラインを整え、技能を有する従業員を育成するよりも、既に設備や技能を有している企業から譲渡を受ける方が効率的である場合がある。
また、生産能力の増大や多角化を目指す企業にとっても同様のメリットがある場合がある。
そのような事情から事業譲渡を受け入れるニーズがある企業と自力再生が困難な企業のニーズが合致すれば事業の一部としての存続が可能であり、これも再生の一形態と言える。
譲渡する側にとっても、そのことによって従業員の雇用が確保され、また仮に譲渡の対価が得られれば、債務を少しでも減らすことも可能であろう。
結果として、倒産よりも影響を軽減できる可能性がある。」と紹介されています。
そこで、当サイトでは、このように会社再建等を行うにあたって、事業譲渡という手段を用いることのメリット・デメリットを説明した上で、類似の制度である会社分割との違い、事業譲渡の手続、事業譲渡の効力、事業譲渡による資産等の承継、事業譲渡と税金の関係について順に解説していきたいと思います。


