会社法は、会社分割の効力を争うための方法を以下のとおり限定的に認めており、会社分割が無効と判断された場合の効果も限定しています。
これは、会社分割が行われた場合、利害関係人が多大な影響を受けることになるところ、いつまでも会社分割の効力を争って覆すことが可能であり、かつ、分割後になされた全ての行為が遡ってなかったことになるとすれば、社会的混乱が必至だからです。
法律関係安定の要請から、分割行為の効力を争える場合が限定されていることは、会社分割の特徴の一つです。
〜会社分割の効力を争うには〜
(1)主張方法:会社分割の無効は、訴えをもってのみ主張が可能です。
(2)提起期間:会社分割の効力が生じた日から6ヶ月以内
(3)提訴権者:株主、取締役、監査役、清算人、破産管財人、分割を承認しない債権者
(4)被告 :吸収分割の場合は、分割会社と承継会社
新設分割の場合は、分割会社と設立会社
(5)管轄 :分割会社または承継会社・設立会社の本店所在地を管轄する地方裁判所
(6)無効原因:法律は、無効原因を具体的に規定していません。
(A)分割に係る契約・計画の内容に違法があったこと、
(B)開示書面を備置しなかったこと・不実の内容を記載したこと、
(C)分割に係る契約・計画の承認決議に違法があったこと、
(D)法定の株式買取請求の手続の履行をしなかったこと、
(E)法定の債権者異議手続を履行しなかったこと等が無効原因と考えられています。
もっとも、法的安定性を重視し、軽微な瑕疵や違法であれば無効原因とはならならず、無効原因は重要な瑕疵や違法に限定されるべきと考えられています。


