私的整理ガイドラインによる整理手続は、基本的に債権者と債務者との話し合いや合意により進められていくのですが、債権者にも債権額や債権の発生原因(債務者に融資している金融機関、債務者に売掛債権を持っている取引先等)において様々であり、またそれ以外の登場人物もいますので、まずは簡単にその言葉の意味を説明したいと思います。
ア 債務者
まず、同ガイドラインにいう「債務者」あるいは「対象債務者」とは、同ガイドラインにより債務の整理を求めていく会社のことをいいます。
イ 債権者(主要債権者・対象債権者)
次に、債権者の中でも、「主要債権者」、「対象債権者」と呼ばれる人(会社)がいます。
「主要債権者」とは、文字通り、債務者にとって主要な債権者のことなのですが、債権額が比較的多い単数または複数の金融機関債権者で、債権額上位行を含む複数の金融機関であることが通常です。
「対象債権者」とは、この中にも前述の「主要債権者」が含まれるのですが、それ以外の債権者も含めて、再建計画が成立したとすればそれにより権利を変更されることが予定されている債権者のことをいいます。
要するに、私的整理の場合には、法的整理手続とは異なり全ての債権者が対象となるわけではなく、再建のために減らして欲しい、あるいは免除して欲しい債務のみが対象とされるので、その対象となる債権者を「対象債権者」といい、対象債権者の中でも通常は債権の額が多い(主要)と思われる金融機関が「主要債権者」というのです。
ウ 専門家アドバイザー
また、同ガイドラインの中では、必要不可欠とはされていないものの、通常は「専門家アドバイザー」が登場します。
専門家アドバイザーとは、後に述べる第1回債権者会議以降で登場するのですが、債務者の資産負債や損益の状況及び再建計画案の正確性、相当性、実行可能性などを調査検証するための専門家をいい、公認会計士、税理士、弁護士、不動産鑑定士等が選任されます。
以下、これらの登場人物のもと、どのような状態の会社が同ガイドラインの適用を受けられるのか、適用可能な場合、具体的にどのような手続が進められるのかを説明します。


