通知・公告

事業譲渡をしようとする株式会社は、事業譲渡の効力発生日の20日前までに、株主に対して事業譲渡をする旨を通知しなければなりません。

ただし、事業譲渡をする株式会社が、公開会社である場合、株主総会の決議による承認がなされている場合には、公告をすることによって通知に代えることができます。

事業譲渡に際して、通知または公告が要求されていますのは、事業譲渡に反対する株主に予期せぬ損害を与えないよう後述します株式買取請求権行使の機会を与えるためです。

反対株主の株式買取請求権

株式会社が事業譲渡をする場合に、事業譲渡に反対する譲渡会社の株主は、譲渡会社に対して、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができます。
この請求権のことを株式買取請求権といいます。

事業譲渡がなされるとその会社の財産が流出することにもなりますので、譲渡会社の価値自体が下がり株主が損害を被るおそれがあります。

そこで、事業譲渡に反対する株主に自らが出資した投下資本の回収の機会を与え、経済的に救済の道を図ろうとしたのです。

もっとも、株主であればだれでも株式買取請求権を行使できるというわけではなく、

(1)事業譲渡について株主総会決議が必要な場合(当サイト4(2)ア(イ)及び同イ(ウ))には、この請求権を行使できる株主は限定され(株主総会において議決権を行使できる株主のうち、株主総会に先立って事業譲渡に反対する旨を株式会社に対し通知し、かつ、株主総会において事業譲渡に反対した株主であることが必要です)

(2)事業譲渡について株主総会決議が不要である場合にのみ、全ての株主に認められています。