M&Aの手法 | 事業再生・企業再生を実現するバレーフィールド

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事業再生・企業再生を実現するバレーフィールド

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M&Aの手法

前記のように、M&Aは直訳すると「合併と買収」です。

この「合併」とは複数の会社を結合させる手法であり、「買収」は、ある事業自体を取得する手法(事業譲渡、会社分割)と、ある事業を取得するために株式を取得する手法(株式譲渡、新株発行(第三者割当増資)、株式交換・株式移転)に分けることができます。


これら手法を法律的な観点から分類すると、

(1)組織再編行為(合併、会社分割、株式交換・株式移転)、

(2)取引行為(事業譲渡、株式譲渡)、

(3)資金調達行為(第三者割当増資)に分けることができます。

以下、それぞれの手法について手続や対価の違いに着目して整理します。

組織再編行為

合併、会社分割、株式交換・株式移転は、会社組織の基本構造、組織を変更するもので、組織再編行為と言われます。

組織再編行為は売り手の債務や契約関係が債権者や契約の相手方の同意なくして、また、個別の承継手続をとらなくても、当然に買い手に承継されます。

これを包括承継と言います。

そして、組織再編行為は、会社組織の根本を変更するものである点で会社の所有者である株主の利害に大きな影響を与えますし、包括承継される点で債権者の利害にも大きな影響を及ぼします。

そのため、会社法上、以下のように株主や債権者の利益を保護するための一定の手続が必要となります。

スピーディーにM&Aを進める観点からすると、そのような手続が必要となる点はデメリットといえます。

(1)株主総会の特別決議

株主総会の特別決議が必要です。

つまり、議決権の過半数を有する株主が出席し、そのうちの3分の2以上の議決権を有する株主が賛成する必要があります。

通常の株主総会決議では、過半数の議決権を有する株主の賛成があれば足りることと比べて、特別決議はその決議要件が厳格になっています。

(2) 書類の備置・閲覧

 株主や債権者が閲覧、謄写できるように、株主総会の前後に一定期間、組織再編の内容を示す契約書や貸借対照表等の書類を本店に備え置くことが必要とされています。

(3) 反対株主の株式買取請求

組織再編に反対する株主はその会社に対し、自己の所有する株式を買い取るよう請求することができます。

(4) 債権者保護手続

事前に債権者に対して個別の催告や公告を行い、一定期間に反対の意思を表明した債権者に対しては債務の弁済や担保提供を行わなければなりません。

(5) 以上の手続の他に、労働者を保護する手続も必要となります。

(6) 対価

買い手は売り手または売り手の株主に対して、対価として通常、自社の株式を割り当てます。

対価として現金を用意する必要がないという点は非常に大きなメリットです。

取引行為

(1)事業譲渡

事業譲渡は取引行為なので、譲渡の対象となる事業における契約関係、権利義務、従業員等を売り手から買い手に移転させるための個別の手続が必要となります。

不動産の登記、動産の引渡、債権譲渡通知などの対抗要件は個別に備える必要がありますし、債務も債権者の承諾を得て個別に引き受け手続を踏む必要があります。

従業員との契約関係の引き継ぎにも個別の契約手続が必要です。

このように事業譲渡は、組織再編行為と違って包括承継ではないため、個別の承継手続が必要となります。この点の煩雑さはデメリットといえます。

もっとも、会社内での手続は簡易な面があります。

つまり、事業譲渡は、取引行為である以上、取締役が業務執行の1つとして行うことができる場合があります。この点はメリットといえます。

(2)株式譲渡

株式譲渡も取引行為なので、個別に株式を移転させる手続を踏むことになります。

手続については、取引対象である株式が重要な財産にあたる場合に取締役会の決議が必要になるほかは、特に会社法上の手続は必要ありません。

(3) 対価

事業譲渡や株式譲渡の場合、通常は買い手が売り手に対して現金を支払います。

債権や不動産など他の財産を対価とすることもできますが(これを現物出資という。)、裁判所が選任する検査役が対価となる財産の評価をするという手続が必要になる場合があります。

資金調達行為

第三者割当増資は、定款に定める会社の発行可能株式数の範囲内であれば、取締役会の決議で自由に行うことができます。

もっとも、特に有利な発行価額(時価より10%程度安い価格)で新株を発行する場合は株主総会の特別決議が必要になります。

また、そのような有利発行の場合でなくても、株式譲渡制限の定めがある場合は株主総会の特別決議が必要になります。

第三者割当増資の場合、株式譲渡などの場合と同様、通常は買い手が売り手に対して現金を支払います。

債権や不動産など他の財産を対価とすることもできますが、裁判所が選任する検査役が対価となる財産の評価をするという手続が必要になる場合があります。

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