会社更生は以下のような流れで進みます。

申立て

民事再生と同様、会社更生手続によることが決まったら、裁判所に対して更生手続開始の申立てをすることになります。
会社更生の申立ての要件も民事再生の申立ての要件と同じです。

会社更生手続開始の申立てがされると、民事再生と同様、裁判所によって弁済禁止などの保全処分がされるほか、申立てがあったり、裁判所が必要と認めた場合には、「保全管理命令」というものが発令されます。

この保全管理命令が発令されると、保全管理人が裁判所によって選任され、申立てをしてから会社更生開始の決定がされるまでの会社の経営や財産の管理・処分をする権利は全て保全管理人がもつことになるため、それまでの経営陣は経営から退くことになります。

この保全管理人(開始決定後は更生管財人)会社が負っていた債務を調査した上で確定し、また、会社の財産を調査した上で確保する手続が行われます。

更生手続開始の決定

このように債務者からの更生手続開始の申立てを受けると、一定の場合を除いて裁判所は更生手続開始決定をします。

この開始決定がされると、それまで債務者である会社に対する債権について担保を持っていた債権者も、今後定められる更生計画によらなければならなくなります。

ここが民事再生と異なり、会社更生がより強力な手続と言われる点です。

更生計画案の作成

会社更生においても、更生管財人(保全管理人)が調査した債務や会社の財産を元に、会社が負っていた債務をどのように変更するか、会社が変更された債務をどのように返済していくかについて定めた更生計画案というものを作成することになります。

なお、会社更生では、その更生計画に基づいて、社債の発行や増・減資、さらに株式交換や会社分割などの組織変更をすることもできるため、これらの方法をとるかどうかもこの中で考慮されていくことになります。

更生計画案の提出から決議・認可まで

更生計画案が作成されると裁判所に提出することになり、裁判所は提出を受けた更生計画案について決議に回します。

その決議においては、権利の種類によって分けられた組ごとに行われます。
会社更生法ではその権利の種類はやや細かく分類はされていますが、決議においては2つ以上の権利を一つの種類の権利として扱ってよいとされており、実際の決議においても担保権付きの債権者とそうでない債権者に分けられているだけです。

なお、決議の要件については、担保権付きのグループの方がそうでない債権者のグループよりかなり厳しいものとなっています。

更生計画案が可決されると、その内容が公正であることや、更生計画が遂行可能であることなどの法律の定める要件を充たす場合には、その更生計画案は裁判所によって認可されることになります。

こうして更生計画が認可されると、管財人がその計画を遂行することになります。

もっとも、更生計画や裁判所の決定によって、管財人の権限が排除されることもあり、その場合には管財人は更生会社の事業の経営などを監督することになります。

他方、会社更生においても更生計画案が最終的に可決されなかった場合、更生手続廃止の決定がなされ、この場合更生会社について破産を申し立てることができるようになってしまうため、更生計画案が可決されるかどうかは非常に重要なポイントです。

更生手続の終結

こうして更生計画に従って債務の返済が進められることになりますが、その後更生計画が遂行されたり、更生計画によって認められた金銭債権の3分の2以上が弁済されたときで、その更生計画に不履行が起こっていない場合、更生計画が遂行されることが確実であると認められる場合には、裁判所によって更生手続の終結の決定がされます。

この終結決定がされると、管財人の権限がなくなるため、申立て前どおり、会社の取締役が会社の経営にあたることになります。

会社更生手続とは(会社更生法)(裁判所の運用)

会社更生は、強力な再建型の手続であることから、会社の建て直しに有用であることは事実ですが、これまで説明したように、会社更生では、現経営陣が原則として経営から退くことになること、また、予納金などのコスト、時間も民事再生よりもかかるなどの点から、その利用が避けられている傾向にありました。

そこで、東京地方裁判所の運用により、経営陣が経営から退くことがなく、また、全手続を迅速に終了することができる「DIP型会社更生」という手続が始まっています。

この会社更生手続は、更生手続開始後の管財人を、従来の経営陣から選び、経営をさせることによって事業を再建させるもので、これまでの会社更生のデメリットである、原則として経営陣が退くという点が克服できるものとなっています。

もっとも、安易に経営陣の続投を認めるわけにもいきませんから、以下の要件が必要とされています。

(1)現経営陣に不正行為等の違法な経営責任の問題がないこと

(2)主要な債権者が現経営陣が経営に関与することに反対していないこと

(3)スポンサーとなるべき者がいる場合はその了解を得ていること

(4)現経営陣が経営に関与することによって会社更生手続の適正な遂行が損なわれるような事情が認められないこと

このDIP型会社更生について、東京地方裁判所は、会社更生手続開始の申立てから、更生計画の認可まで6ヶ月強で進行させたいとしており、強力な再建手続にも関わらず、従来に比べてかなりスピーディに進行することになることから、今後利用する会社が増えるものと予想されています。

予納金について

会社更生における予納金の額は、明確な基準をもって定められているわけではなく、会社の規模や債権者の数、債務の総額などの事情を考慮して決められますが、一般的に民事再生よりもかかってしまうのが現状です。

なお、そのコストの高さが、会社更生があまり利用されない要因の一つとして考えられていることから、これからDIP型の会社更生についてその予納金の額が下がることも考えられます。